WME 基本設定編
- 設定詳細 -
WME の各項目についてより詳細に説明します。
- 画面の取り込みとエンコード ビデオサイズ
- フレームレート
- ビットレート(ビデオ)
- ビットレート(オーディオ)
- その他の設定
- 画面の取り込みとエンコード ビデオサイズ -
- ▲取り込み範囲の指定には SCFH を使う。
- ▲エンコード ビデオサイズ(配信される画面サイズ)は、WME のソース タブから設定する。
- (圧縮 タブのビデオサイズは ビデオ入力と同じ にチェック)
この項目を説明する前に知っておくことがあります。
- ▲ソースと同じサイズでエンコードすると画質が良くなる。
画面の取り込み範囲についてはとくに制約はありません。
ソース自体の動作に係る CPU への負担の許す限り大きくしても構いません。(全画面以外)
CPU への負担、ビットレートの振り分けに係るエンコード ビデオサイズについて説明します。
小さければ小さいほど CPU への負担も軽減され、ビットレートを少なく設定してもコマ落ちを軽減できる可能性が高く、画質も上げやすくなります。
しかし、小さすぎてはいろいろな部分が潰れてしまいます。
とくに文字は潰れてしまうと読みにくいので、文字中心のソースではエンコード ビデオサイズを大きくすることをお勧めします。
- アスペクト比 -
標準的に多く用いられている 4 : 3 とワイド表示である 16 : 9 が主なものです。
320*240 640*480 800*600 などが 4 : 3 のアスペクト比です。
画面の取り込み範囲とエンコード ビデオサイズは同じアスペクト比でなくてはなりません。
なお、アスペクト比が 4 : 3 以外である場合は 圧縮 タブ → 編集 → 全般 タブ内の 非正方形のピクセル出力を許可する にチェックを入れます。
- ソースによる修正 -
旧ハードのゲームプレイ実況などでは、ハードの元々の解像度が低いこともあり大きなサイズでエンコードしても画質が上がるわけではありません。
これは、エミュレータや視聴ソフトの解像度を上げた場合でも同じです。
高解像度で描画しようとしても元々のゲーム自体の解像度が低いので当然ですね。
現行ハードのゲームプレイ実況などでは主にどんな内容のゲームかでそれぞれエンコードサイズを決定することになります。
小さい文字の描画のたくさんある場合は、文字が潰れないように多少大きめにする必要があります。
- ビットレート(ビデオ)とのバランス -
エンコードサイズが大きいということはそれだけビットレートを多く必要とするのということです。
さらにフレームレートを大きく設定しても同じように多くのビットレートを必要とします。
800*600, 30 fps のエンコードでは、膨大なビットレートを必要としストリーミング放送には向きません。
PC パフォーマンスが許したとしてもビットレートの制限から現実的な選択肢ではありません。
320*240, 24 fps では、最低でも 210 kbps は必要になるでしょう。
圧縮 タブの設定にある ビデオの滑らかさ を 50 から下げることで、より少ないビットレートでも 30 fps でのエンコードは可能ですが代償として画質を損ないます。
- フレームレート - ▲
- ▲圧縮 タブの フレーム レート で設定する。
30 fps 以上に設定してもあまり意味はないので 5 - 30 fps の間で設定します。
24 fps と 30 fps もソースによってはあまり違いがなく、低ビットレートでのエンコードを求めるならば 24 fps でも問題ありません。
24 fps で配信を開始すれば、視聴者は気にせず 24 fps で視聴するでしょう。
ビットレートと PC パフォーマンスが許せば、30 fps 一択です。
が、フレームレートを抑えることでビットレートを節約でき、その分画質が向上します。 24 fps も考慮にいれましょう。
- エンコード ビデオサイズとビットレート(ビデオ)とのバランス -
- 例)
- PC ゲームの最小ウィンドウサイズが 640*480
- 小さい文字もたくさん描画されるのでエンコードサイズを 640*480 に設定
- 回線が ADSL なので UP 速度限界が 1.5 Mbps
この例で 30 fps にすると、コマ落ちしないビットレートは 800 kbps 以上必要になります。(ソースにより)
これでは収容枠が 1 しか取れず、鏡をしてくださる方もやはり少ない収容枠しか取れません。
このような場合は、フレームレートを落とすことで必要なビットレートを下げることができます。
2D 系の動画であれば 16 fps でもそれなりに動画として見ることができます。
640*480, 16 fps であれば 500 kbps もあればコマ落ちも最小限に止めることができます。
- ビデオの滑らかさ -
上記の例で、フレームレートも下げたくないとなると最終的には ビデオの滑らかさ を 50 から下げることで 30 fps でエンコードしてもコマ落ちを軽減できます。
が、640*480, 30 fps をコマ落ちなしでエンコードする場合、かなりの画質の劣化が見られるでしょう。
あくまでも最終的に調整の意味で下げる項目であり、基本的には 50 のままフレームレートを下げるかエンコードサイズを下げる設定でビットレートへの負担を軽減するべきです。
- ビットレート(ビデオ) - ▲
- ▲圧縮 タブのビデオ ビットレートで設定する。
ビットレートには限りがあります。
また、高ビットレート配信はストリーミング放送には向きません。
FTTH 回線(光回線)で、視聴者が増えないであろう予想が立つのであれば 1 Mbps で配信しても問題はありません。
UP 速度が 50 Mbps で安定するのであれば収容枠 40 人でも配信できるでしょう。
- 必要ビットレート -
4:3 / fps |
6 |
12 |
16 |
24 |
30 |
320*240 |
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|
170 |
210 |
250 |
480*360 |
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330 |
430 |
490 |
560*420 |
|
330 |
410 |
540 |
|
640*480 |
|
420 |
530 |
650 |
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800*600 |
--- |
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全て ビデオの滑らかさ 50 での目安です。(単位は kbps)
ソースにより(動きの激しさなど)多少は変わってきますが、とりあえず高負荷の動画のテストでコマ落ちしなかったビットレートを挙げてみました。
この数値を基準に上げ下げすれば最適なビットレートを見つけやすいと思います。
- 設定の順序 -
それぞれの環境、ソースに合わせて設定を決めていくことになります。
まず画面サイズを、次にフレームレートを、最後にビットレートを、などの順序は基本的には成り立ちません。
最初に考えるべきことはどんなソースのエンコードをするか、です。
- ビットレート(オーディオ) - ▲
- ▲圧縮 タブのオーディオ形式で設定する。
音質を決定する項目です。
CD でのサンプリング周波数が 44.1 kHz なのでとりあえずこれ以下で設定します。
大体 96 kbps くらいでほぼ違和感なく視聴することができると思います。
音質にこだわって限られたビットレートを割くよりは、音質を押さえて画質を優先したほうがいいかもしれません。
32 - 64 kbps の間での設定を推奨します。
- その他の設定 - ▲
それ以外の設定については基本的に固定です。
- ビデオ サイズ -
必ず ビデオ入力と同じ にチェックを入れます。
- キー フレームの間隔 -
基本的に 8 秒です。
動きの極端に少ないソースの場合、15 秒以上に設定すると視聴者のアクセスしたタイミングによっては 10 秒以上画像の描画が始まりません。
また、ビットレートについて制限のあるストリーミング放送では間隔を縮めることはあまりお勧めできません。
キー フレームの入るタイミングで差分の補完ではなく全体のエンコードをします。
そのタイミングでビットレートを多く使用することになり、CPU 使用率も一時上がります。
- バッファ サイズ -
既定値を使用 にチェックを入れます。
- ビデオの滑らかさ -
基本的に 50 です。
とくに最良の設定を探している段階では 50 の状態で行わなくては意味がなくなります。
ビットレート(ビデオ)をフレームレートの維持に振るか、画質に振るかの設定です。
ビットレート不足でエンコードをかける場合に、フレームレートを犠牲にするか、画質を犠牲にするかの調整に使用します。
フレームレートを犠牲にして画質を上げるのであれば最初からフレームレートを落とせばいいわけですから、50 以上に設定する必要はなくなります。
主にビットレート不足でのフレームレート維持の為に使われることになりますが、50 より下げる調整をすると当然画質が落ちます。
あくまでも調整する為に使い、基本的に画面サイズを小さくするか、フレームレートを下げるなどの対処をしてから最後の手段として調整しましょう。
- デコーダの複雑さ -
自動 のままにしておきましょう。
- 非正方形のピクセル出力を許可する -
アスペクト比 4 : 3 以外の場合にチェックを入れ、4 : 3 のときはチェックを外します。